サマータイムブルース
「もーさー。毎日暑くてやになるよねー」 バカみたいに青い空と曇りのない白い雲。 遠くできこえるうるさいセミの声も。 隣を歩く軽薄そうなオレンジ頭の恋人も。 初めてのはずなのに何故か酷く懐かしくて跡部を無性にいらつかせていた。 すべてはコイツだからだ。 意味をなさない理屈で自分の思考を閉じると今日の部活の報告に花を咲かせていた千石がコチラを不機嫌そうに見ていた。 「跡部くん今思いっきり人の話聞いてなかったでしょ?」 三段活用で黙らせるとじっと跡部を見ていた千石が聞いた。 「跡部くんのアイスどんな味?」 「俺のはねこんな味」 ふいに千石の顔が近づいて触れるだけのキス。 「・・・そんなんで分かるかバカヤロウ」 悔しいことに全く無防備でたったそれだけのことが酷く響いた。 「跡部くん顔赤いよ?」 言葉と共に出した足は軽々と交わされ思わず舌打ちする。
バカみたいに青い空と曇りのない白い雲。 遠くできこえるうるさいセミの声も。 隣で楽しそうに笑うオレンジ頭の恋人も。 酷くいらつかせ鮮やかに頭に焼き付いて。 |
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